半衿はレースが便利

半衿にもいろいろありますが、中でもレースの半衿はいろいろな点で「使える」便利なアイテムです。

色も季節も選ばない

レースの半衿というとけっこう高価なのですが、買う必要は全然ありません。手芸用品店でメートル1,900円ほどの価格で売っていますし、それでも高いと思ったら端切れコーナーで売っている700円ぐらいのものを2つ買ってきてつなげばいいのです。

つなぐ場所は、後ろ首の真ん中にあたるところで、裏合わせで縫い合わせて、少しひっぱり気味にかければ完成です。
色は、生成・ブルー・黒・赤・ピンク・黄色などなんでもOKです。なぜなら、下が透けてやわらかい印象になるからです。それでいておしゃれに見えるし、なんといっても季節を選びません。

シーズンレスで汚れも目立たない

着物のルールでややこしいものの一つが季節の決まり事です。例えば、半衿ひとつとっても、10月1日までは絽縮緬、9月前半は絽、7・8月は絽か麻、衣替えが終わったら縮緬や刺繍などの冬物になるなど、かなり微妙なのです。

しかし、レースと木綿に限ってはこういったルールが適用されていません。なぜなら、この季節の約束事が生まれた頃にはまだなかった生地だからです。したがって、時期的に微妙で迷ったりするときにはレースにしておけば安心という便利な面があるわけです。

また、レースには凹凸があるので衿に汚れがつきにくく、しかも目立たないので、おしろいを多量に使う人でない限りは、1シーズン通して、途中で1回裏表をひっくり返してかけかえるぐらいでいけてしまいます。特に生成や黒のレースだと汚れが目立ちません。

かつて白衿はむしろ特別なものだった

着物を毎日のように着ていると、半衿の汚れ問題はけっこう深刻です。
しかし、明治・大正時代には、人々は毎日白い半衿などは到底かけておらず、「白衿で改めまして」という言い回しがあったように、白衿というもののほうが正式の場で正装として使う特別なもので、普段毎日使うものはなるべく濃くて汚れの目立たないものを、ひっくり返したり上から手ぬぐいをかけてごまかしたりしてギリギリまで汚してからやっとかけかえるという趣旨のものだったのです。

そういう意味でも、レースのように「汚れの目立たない半衿」というものの存在はとても大きいのです。
最近では洗える半衿が700円ぐらいからあるわけですが、レースの半衿を手作りしてみたいという場合は、レースをとりあえず2メートルほど買ってくれば、半分を半衿にして残りを帯揚げにと、お揃いにすることができますし、余った分で汚れたとき用のスペアの半衿を作ることもできます。

「着物が似合わない」と思ったら

半衿は、洋服でいうところのストールやマフラーのようなもので、顔の印象に大きく影響を与えます。したがって、着物がどうも似合わないと思ったら、まず半衿で印象を変えてみましょう。ストールやマフラーのように積極的に使うには、白衿だけではもったいないし、かといって豪華な刺繍のものなどもよそゆきの機会だけでいいと思います。

まずは、レースの半衿から普段使いしてみてはいかがでしょうか。