子どもと親の七五三の着物

一時期、七五三の子どもと親の衣装が華美になりすぎた時期もありましたが、最近はまた伝統行事の本質が見直され、日本古来のお祝い着でお参りに行く親子が増えてきたようです。

三歳の祝い着

あどけないかわいらしさを引き立てる着物であることが第一条件になるので、友禅縮緬の着物に疋田絞、または朱色の無地の下着を重ねる伝統のスタイルなら、この年頃の女児が一番かわいらしく見える装いと言えます。
これに中幅の糸錦などの帯を「立て矢」や「熨斗目結び」にし、しごきをリボン結びにして下げます。ただし、自由に動き回りたい盛りなので、帯をあまりきつく締めないように気を配ります。

お宮参りのお掛けを利用して袖なしの被布を作り、着物の上に羽織ってもかまいません。着物が白地なら、被布は朱赤の無地やぼかしのものがかわいく見えます。赤の着物なら、若草色や紫とピンクの組み合わせでもきれいです。
履物は、ぽっくりよりも草履にして足元を安定させてあげましょう。

五歳の祝い着

男の子の装いは凛々しく仕上げるのがポイントです。正式には、紋付きの黒羽二重の着物と羽織、それに仙台平の袴をつけますが、色綸子の着物と羽織に錦織りの袴でもよいとされています。その際、紋は付けても付けなくてもかまいません。
腰に大小の刀を差し、白扇を持ち、白足袋に畳表の草履か雪駄を履きます。

七歳の祝い着

身長もだいぶ伸びてきているので、十五〜十六歳まで着られる本裁ちの着物を作っておくのがおすすめです。
肩揚げ・腰揚げをして現在の身長に合わせ、大きくなってから揚げをほどけば、十三参りをはじめ、初詣などいろいろな機会に着ることができます。そのためにもなるべく上質な着物を選びましょう。

そろそろおしゃれを意識する年頃なので、華やかな手描き友禅の振袖などがおすすめです。
帯は中幅の糸錦や金襴緞子を使い、「立て矢」や「熨斗目」などを可憐に結びます。
体格のよい女児の場合は、大人用の格式の高い袋帯を揃えておくと、成人式にも利用できて、却ってお得です。
帯揚げは絞り、帯締めは丸組み紐を用い、しごきを花結びに飾ります。履物は塗りのぽっくりか、錦や金襴の重ね草履を履きます。

特にこれといったきまりはない

以上は、伝統的な祝い着の紹介でしたが、七五三の装いにはこれといったきまりがあるわけではないので、かわいい柄の小紋の着物でももちろんかまいません。また、母親の娘時代の着物を仕立て直して着せるのも素敵なアイデアです。

母親の装い

当日の主役は子どもですから、母親の装いは子どもに合わせるのが基本です。子どもが伝統的なスタイルなら、礼装かそれに近い落ち着いた格調のある着物にしましょう。子どもが普段着風のウールのアンサンブルなら、母親は小紋などが釣り合います。

一般的には付け下げなどが向いていますが、昼間の行事なので、あまり派手すぎるものは避けたほうが無難です。
こんなときには、淡い色調や深みのある地色の色無地で、地紋は御所解きや亀甲模様を選びましょう。

紋は背紋一つ紋でかまいません。
帯は、おめでたい吉祥文様の織りの袋帯か名古屋帯を合わせます。抽象柄・ワンポイントのもの・染めの帯は合いません。

あくまでも子どもが主役

七五三は子どもが主役です。親の見栄や流行にとらわれず、成長の節目のお祝いとして記念に残る支度をしてあげましょう。