古帯の仕立て直しで注意すること

最近、着物の仕立て屋さんに持ち込まれる依頼で一番多いのが、古着や古帯の仕立て直しだそうですが、その中には、さすがにこれはちょっと…というものもあるようです。

そこで今回は、古帯を仕立て直すときの見極め方や注意点などをご説明したいと思います。

生地のへたりは致命的

帯も着物と同じく、まず確かめるのは生地の弱り・へたりです。端のほうを引っ張ってみて裂けてしまうようでは、使っているうちに破れてしまうのでまずだめです。特に、帯は締めるときにも締めた後にも、なにかと擦れるものなので、生地のへたりは致命的です。中でも繻子は特に弱いといわれています。

前帯の上下がすり切れているものも、そのままではもう帯にはなりません。柄や刺繍の部分を切り取って、ふちをかがってアップリケにすることもありますが、刺繍の周りの生地がへたっていると、刺繍の上をかがることができないのでだめです。一見大丈夫そうでも、弱った生地が帯芯のおかげでかろうじて形を保っている場合もあります。

また、昔の帯は特にお太鼓と前帯の間が短いため、ウエストサイズにもよりますが、お太鼓の中に隠れる部分に、5寸(約19センチ)くらいなら足し布をすることができます。二部式にしてしまえばまず問題はありません。

ネットショップなどで買う場合は、実際に手にとって確かめることができないので注意が必要です。なんでもかんでも仕立て直せるというわけではありません。

保存状態がコストを左右する

仕立て直す前には当然ほどく必要があるわけですが、これも大変な手間となります。手縫いとミシン縫いとでも違いますし、昔のものほどがっちり返し縫いしてあったりするからです。

その上、保存状態の悪いものはカビ臭がすることがあります。帯の場合は、帯芯がカビていることが多いようです。ニオイを取るには解き洗いしか解決策がありません。染めのものなら洗い張りできますが、織りのものはできないので、ドライクリーニングやシミ抜きまでが限度です。

シミ抜きでも取れない古い汚れがある場合は、専門の職人さんに頼んで金彩をほどこしたり、刺繍を足したり、絵柄を加えたりという隠す加工をしてもらうしかありません。範囲や加工の方法にもよりますが、ひと加工につき1万円くらいからできます。

帯芯は重要

仕立て変えるときは、帯芯も古くなって傷んでいたりカビていたりするので、必ず取り替えましょう。たまに袋帯に芯を入れなくてもいいという人がいるようですが、引っ張ったりねじったりするときにかかる負荷から帯芯が帯地を保護しているという面もあるので、帯芯は入れたほうがいいようです。

仮仕立てのままで締めない

袋帯は仮仕立てで売られていることが多いのですが、それを知らずにそのまま締めている人もいるようです。袋の口が閉じていないので見ればすぐわかってしまいます。

新品で買うときは、あらかじめ芯を入れるか入れないかを確認することと思いますが、リサイクルショップや古着屋さんでは、仮仕立てのまま売られているケースもあるので、よく確かめましょう。