部分直しをする前に

着物の部分直しというと、仕立て直しよりもうんと簡単にできるもののように思ってしまいますが、中にはけっこう手間がかかるケースもあります。

八掛のすり切れ対策

例えば、八掛がすり切れている場合などは部分直しで済むと考えてしまいがちですが、八掛の付け替えだけとなるとけっこうな大手術で、仕立屋さんにとっては手間のかかる作業になるのだそうです。

そうならないためにも、仕立てるときに八掛のすり切れ対策をしておきましょう。身丈・衿下ともに1〜3センチ程度長めに仕立てておけば、八掛がすり切れそうになったら裾だけ縫い込んでしまうことで、八掛を取り替える必要がなくなるのです。こうすることで、洗い張りのときには上下を入れ替えることもできます。

たるみの調整のしかた

袷の着物の裏地または表地が縮んでたるみができてしまうことを「袋が入る」などといいますが、そんな状態だと、表地がかぶるとふきが隠れてしまい、裾がたぷたぷしてカッコ悪くなります。

わずかなたるみ場合、表は着つけのときに手のひらで帯下へ押し上げ、裏は表地が反るほどでなければそのままでも目立ちませんが、それ以上のたるみであれば、袖つけ裏の縫い代を解き、手を入れて八掛と胴裏接ぎの部分を引っぱり出して、つまんだり出したりして調整します。
これでも手に負えない場合は、もうプロの手にゆだねるほうが賢明です。

直しが不可能な場合

仕立て直し・部分直し・仕立て替えがきくのが着物のよさです。たとえ着るには弱りすぎた生地でも、バッグ・半衿・小物などにリメイクするという手もあります。
形は変わっても好きな着物を最後まで使い切ろうとするのは立派な愛情と言えます。