着くずれ直しの秘策

今回は、着物が着くずれにくくなり、なおかつ着くずれても簡単に直せるようになる裏ワザをご紹介します。

帯の形がくずれてきたら

普段着物を楽しむには、帯も自分で結べるようになることが大切です。帯結びは、ひと巻き目に胴に巻きつけるとき、帯をぎゅっと締めておけば、ふた巻き目には多少緩くなっても大丈夫です。

とはいえ、最初はなかなかうまく形が整わず、着ているうちにくずれてくることもあるものです。もし乱れてきたら、半幅帯の場合は、もう一度前に持ってきて結び直すのが確実です。お太鼓の場合は、合わせ鏡がないと難しいので、友人の手を借りて直してもらうのもよいでしょう。

そんなときのとっておきの秘策は「かくしひも」です。
お太鼓は、タレの上線とお太鼓の下線、そして右横に3センチくらい出ている「テ」の下線の3か所がピシッと胴の下線に合ってこそ粋な形といえます。この接点がゆるくなると、お太鼓の形もぼわっとして、タレの長さも不ぞろいになります。

そこで、帯を締め終わった段階で、かくしひも(約120センチで締めやすく細いひもならなんでもOK。小包ひもでもよい)をお太鼓の中の一番下に沿わせて通し、前で結びます。最後に、見えないようにかくしひもを帯の胴の下に隠し入れれば、帯は立体的で美しい形を保てます。

椅子にもたれかかってお太鼓がぺしゃんこになったら、お太鼓の中に手を入れ、外へ向けて押し出すように、ちょっとふくらませる感じで軽くひとたたきすると元に戻ります。

衿元が乱れてきたら

衿元は、最初に目が行くポイントですから、時間が経つにつれてだんだん乱れてきてしまうようでは困ります。

衿周りの乱れの原因は、衿元の緩みとえもんの詰まりの二つですが、おはしょりの前や後ろを引っ張ると、多少の乱れなら直ります。できれば、トイレで肌着、補正着、襦袢の順に腰のあたりから下に引っ張り、最後に、えもんから襦袢などが見えないように注意しましょう。

慣れないうちは必要以上に衿元が気になり、つい手が行きがちですが、背筋を伸ばして堂々としているだけでも、多少の着くずれはカバーできます。

おはしょりのくずれ&下前が下がってきたら

おはしょりは長くても短くても気になるところです。
まず、帯を締める前の段階できちんとその部分の長さを調節し、単にして平らな形に整えておきましょう。余った部分はお腹周りに上げておくと、補正にもなって便利です。

それでもぐずぐずになったら、人差し指でおはしょりをしごいて直しましょう。このしごきこそが、おはしょり線を美しく仕上げます。下前が下がった場合は、安全ピンで襦袢と一緒に留めて応急処置をしましょう。また、ぐずぐずのおはしょりを固定させるのにも安全ピンは便利です。

着物を快適に楽しく着るために

着物を着ていて最も面倒なことの一つが、洋服と違って着くずれというものが起こり、そのたびに直さなければならないことではないでしょうか。しかし、着くずれを最小限にとどめ、サッと簡単に直す方法を知っていれば、着物ライフがもっと快適で楽しいものになること間違いなしです。