やってしまったらもう取り返しがつかない失敗4つ
着物を着る時には多かれ少なかれ気を使うことが多いようです。
礼装なら着物や帯の格式も気になりますし、加工によっては非常にデリケートなものも多いので思いもつかない失敗をしてしまうこともあります。
ここでは、やってしまったらもう取り返しがつかない4つの失敗例をご紹介しましょう。
1.着物を着る時には軟膏を塗ってはいけない
何年かぶりで出してみた着物にシミが浮き出て時代物の古着のようになっていることがあります。
着物の胴裏地に浮き出る大きな黄ばみや茶色いシミは、本人が着る分には差しさわりが無いものの、人には見せたくないものです。
汗ばんだままたたんでしまうとこんなことがおきますが、もう一つ意外な原因があります。
その時に使用した軟膏類が後日シミなって残ることがあるのです。
ウエスト周りや肘の内側、膝裏など、汗をかきやすい部分に軟膏を塗ったまま着物を着ると、その成分が肌襦袢や襦袢、着物に染み出し、年月をかけてシミなるのです。
こういった黄ばみやシミなどが厄介なのは、仕舞う時には見えないのにタンスの中で変色して何年もたってから出てくるという事です。
2.墨のシミは専門家でも手こずる難物!
着物を着る時に割合多いのが墨を使う機会です。
結婚式では受付で墨を使います。
この時が要注意! 受け付けでは、手荷物が邪魔になる上にとかく気忙しいもの。
黒っぽい着物なら気が付かない事も多いのですが、ツンと一点、着物に墨を付けてしまうことがあります。
自分の着物に付くのはまだしも、人の着物に付けてしまっては謝っても謝り切れません。
墨のシミはシミの中でも難物です。
受付など墨を使う場合は必ず手荷物を人に預けて粗相のないようにしましょう。
3.二酸化塩素分子使用の消臭剤には金銀を施した衣類は避けた方がいい!
タンス用の乾燥剤や防虫剤の使用方法を間違えると着物にシミが付いたり金銀が錆びたりするのはよく知られている事ですが、最近販売されている二酸化塩素分子使用の消臭剤も要注意です。
この種の消臭剤はウイルスを分解する働きがあるという事なので今後普及する可能性は大きいのですが、実は二酸化塩素分子は金属を腐食させます。
そういうものが置かれている部屋では、金銀をあしらった着衣で長時間過ごすのは避けたほうがよさそうです。
4.居眠りするならスカーフかハンカチの準備を!
着物で結婚式やご葬儀に出た後、帰りの乗り物の中でフッと気づいたら居眠りをしていることはよくあります。
この時に、どうしても前かがみになってあごが着物の襟元についてしまいます。
自分では見えないので、着物を脱いだ時に襟元にファンデーションが付いていることに気が付きます。
とにかく目立つ場所が汚れます。
ヘアーセットをしていると頭を背もたれにのせられないこともあり余計に前のめりになってしまいます。
最近のファンデーションは化粧崩れが少ない分、衣服に付けてしまうと取れにくいのです。
着物で居眠りしそうなときにはスカーフやハンカチを襟元に巻いておきましょう。
(ライター : n.m)