着くずれをちょちょっと直せば外出先でも大丈夫!

着くずれをちょちょっと直せば外出先でも大丈夫!

多くの人が着物を躊躇する理由のひとつに、着くずれが心配という点が挙げられます。

しょっちゅう自分で着物を着る人なら、着くずれも自分で直すことができますが、自分で着られない人や着慣れない人にとって、外出先での着くずれは本当に悩みの種ですよね。

でも、そもそも着物は着くずれるものです。四角い布を紐や帯で丸い体に巻き付けているのですから、動けばくずれてくるのはむしろ自然なのです。あまりにもきっちりしているのも、それはそれで不自然なものです。

適当に直し直し過ごすのが本来の着物の姿なのですから、あまり神経質になることもありません。

着くずれの原因

着くずれが起きる部分は主に 襟元、お端折り、帯結びです。まずは、着付けの時に着くずれをしないように手当をしておくことが大切です。

襟元の着くずれ

原因
  1. 大きく抜いた衣紋が徐々に詰まってくることで襟が緩んで打ち合わせが乱れます。やせ形でいかり肩の方や猫背の場合に起きやすい現象です。
  2. 手を上に大きく動かすと打ち合わせが緩んで襟元が乱れます。
防止策
  • 衣紋抜きを使用して衣紋が詰まってこないようにすると、ある程度は着くずれを防止できます。
  • 半襟の打ち合わせにあたる部分にマジックテープを縫い付けて打ち合わせを固定すると、襟の乱れを予防できます。(半襟なら、マジックテープで生地が傷んでも我慢できます)
  • 電車に乗るときには、あまり吊り革を持たないように、座れない時にはドアサイドなどで手すりを持つようにしましょう。(もちろん、あちこちにもたれては着物が汚れてしまいますので注意は必要です)

裾の着くずれ

原因
  1. 歩く時に歩幅が広すぎたり外股だったりして、お端折りが緩んでしまうと、打ち合わせが浅くなっり裾広がりになります。
  2. 正座やいすに座るときに膝で着物の衽(おくみ=前身頃)を引っ張ってしまい、お端折りが緩んで上前の裾が長くなってしまいます。
  3. 正座から立ち上がるときに着物の裾を踏んで長くなってしまうことがあります。特に褄先を踏んでしまうと大きく着崩れてしまいます。
防止策
  • お端折りの端を少し短めに着付けると裾さばきが良くなります。
  • 着物を着付け終わった時に、一度着物をめくりあげて長襦袢の裾を手で広げてから着物を降ろします。着物の裾さえきちんと合わせておけば、襦袢の裾は乱れていても見えません。長襦袢の裾は乱しておいた方が裾さばきが楽です。
  • 座るときに、膝の部分を少しだけ前へ持ちあげると、ひざ部分に余裕が出てお端折りが伸びません。男性が背広のズボンのひざ部分を持って座るのと同じ要領です。
  • 基本的に内股で歩きます。
  • 正座から立ち上がるときには必ず裾を踏んでいないか確認しましょう。

帯の緩み

帯は着物を最終的に形づけるもので、帯が緩むと着物全体が着崩れてしまいます。

原因
  1. 帯結びそのものが緩い
  2. 帯枕は帯を固定するのに大きな役割をしています。紐がきちんと結べていないとお太鼓の上部が緩んできます。また、着物の襟もとが乱れる原因にもなります。帯揚げ止めを使うと帯枕が下がってきません。
  3. 帯〆も帯を固定するのに大きな役割を果たすものです。帯〆が緩いとお太鼓の下部が緩んできます。
  4. お太鼓の部分が壁や人に擦れて形が崩してしまうことがあります。
防止策
  • 帯をゆるみにくい材質のもの(と凹凸がある生地)にすると楽です。
  • 帯の結び目で外から見えない部分を洋裁用のテープできつく縛ると緩みません。テープはあまり細いものを使うと帯地が痛みます。2cmぐらい幅があった方がいいと思います。
  • 帯枕のひもは細くて締めにくいので帯枕を長いガーゼで包んで余ったガーゼを紐代わりにすると緩みにくくなります。多少見た目は悪いのですが。
  • 帯〆は幅が広いものの方が緩みにくいのですが、もし、細いものを使うなら凹凸のある組み方をしたものを選びましょう。化繊のものは滑りやすくほどけやすいので、できるだけ絹のものを選びましょう。

もし着崩れてしまったら

着くずれは小さなうちに直してしまうと後が楽ですし、また直しやすくもあります。

衣文が前へ詰まってきたら
着物の裾をまくりあげて後ろから長襦袢を引っ張ります。長襦袢の背縫いを少しずつ引っ張るときれいに衣紋が抜けます。
襟元が乱れてきたら
身八口から手を入れて、緩んでいる着物や長襦袢を引っ張ります。この時に、長襦袢を引っ張るつもりで着物を引っ張ってしまったり、その逆のこともあります。時には重ね襟を引っ張ってしまったりするときもあります。指先でしっかり材質を確認して正確に少しずつ引っ張りましょう。
裾が伸びてしまったら
後ろが長くなってしまった場合にはお端折りの後ろ側を裏返して着物を少しずつ引っ張り上げます。下前が長くなった時には、上前をめくりあげて下前を指で腰紐にたくし上げます。上前が長くなってしまった時には、お端折りの前側を裏返して指で上前を腰紐にたくしあげます。

着物を着慣れている人は、着崩れても直し方もよくわかっています。着物は年に2,3回だけという人は、基本的に着崩れにくい材質の着物や帯を選びましょう。一般的に、地紋があるものや織物など凹凸がある生地の方が着付けやすく、着くずれしにくいものです。また、帯揚げも絞りのものの方がほどける心配がありません。帯〆は平組か凸凹のある組み方のものをおすすめします。

(ライター : n.m