結納の日の着物
結納の儀式は、仲人夫妻が羽織袴と色留袖の礼装で両家を往復し、結納品を交換するのが正式です。しかし、最近ではずいぶん簡略化され、ホテルに両家と仲人が集まって結納品を取り交わしたり、仲人が男性側からの結納品を女性宅へ届け、女性側からのお返しは省略したりするというケースが増えています。
喜びの日にふさわしい色柄を
結納を受ける本人は、華美すぎたりくだけすぎたりした着物では相手に失礼になることもあります。控えめながらも品のある着物を選びましょう。あまり派手な色柄でなければ、振袖や訪問着のフォーマルな着物でも良いし、付け下げ・色無地・小紋などの着物でもかまいません。大切なのは、喜びの日にふさわしい明るい色柄を選ぶことです。
帯は格のある華やかな袋帯か名古屋帯を合わせ、帯揚げや帯締めも、晴れやかな気持ちに合わせて明るい色調のものをコーディネートします。
どんな着物を選ぶにしても、祝儀なので伊達衿を付けます。
母親の装い
母親は、紋付きの色無地・鮫小紋(江戸小紋)・付け下げなどのしっとりと落ち着いた感じの着物にします。ただ、相手方の母親とかけ離れた装いは好ましくないので、あらかじめ打ち合わせをし、なるべく格をそろえるようにしましょう。
仲人の装い
仲人の着物は、訪問着か付け下げ、あるいは一つ紋付きの色無地または鮫小紋が一般的です。鮫小紋を着る場合は、黒紋付き羽織か黒絵羽羽織を着ます。
自分に一番似合う着物を
結納の儀式は、お見合いと違って結婚が決まってから行われるものなので、本人も付き添いもあまり格式ばらずに、その場にふさわしく、なおかつ自分に一番似合う着物を選べば良いのではないかと思います。