洋服感覚でコーディネートしてみる
着物に関心があってもなかなかその先の一歩が踏み出せないという人は多いと思いますが、その理由の一つが、何をどう選んだらいいのか分からないということではないでしょうか。
そこで、初心者がどう着物を選んだらよいかについてご説明します。
たくさん見て自分の好みを知る
結論から言うと、洋服と同様、自分の着たいものを着るのが基本ではないかと思います。もちろん、慣れていないうちはどんなものを着たいのかさえはっきりしていない状態ではあるのですが、少しずついろいろなものを見ていくうちに、自分の好みの傾向が見えてくるものです。
例えば、スキーを何年もやっている人なら、スキーウェアにどんな種類のものがあり、どんなデザイン・色柄が好みなのかといったイメージをはっきりと持っていますが、スキーをやったことがない人は、どんなものをスキーウェアというのかさえ知らないので、当然その中から何を選べばいいのかさっぱり分かりません。
そうなると、とりあえず何度もスキーショップに出かけて何種類ものウェアを見て回り、少しずつ見慣れていったり名称を覚えていったりしていくことで、その分野のことをなんとなく知っていくしかありません。つまり、これを繰り返して自分の好みを確立していくものなのです。
着物の場合もこれと同じで、たくさん見ていくうちに、なんとなく心惹かれていくものとまったく心が動かないものがあることを知っていきます。そこまで来たら、あとは予算を考えながら着物・帯・小物を選んでいけばいいのです。着物の専門雑誌などを見てみるだけでも、感覚はつかめるようになってきます。
洋服の好みと着物の好みは似ている!?
自分なりの好みが分かってきたら、現在自分が持っている着物や帯に合わせやすいものを選ぶ目もできてきます。つまり、好みに傾向というものができてくるということです。
洋服の場合でも、柔らかいラインの服が好きな人はワードローブもその傾向のものが多いし、黒っぽい服が好きな人はシャツでもコートでも無意識に黒いものを選んでいたりしますが、それと同じことが着物の選び方にも出てきます。
例えば、花柄や華やかな色合いの洋服が好きな人は、着物の好みも友禅や大柄の小紋などが好みだったり、スーツやパンツ姿などの活動的なスタイルを好む人は、紬や縞などのキリッとした着物が好きだったりと、洋服の好みと着物の好みには少なからず共通点があるようなのです。
特別な才能やセンスはいらない
着物にはルールが多くて…というのが、着物が敬遠されてしまう理由の一つかと思います。もちろんそれも事実ですが、着物だからといって構える必要はありません。むしろそのルールの中で何を選び、どう最大限に遊ぶかが着物の楽しさとも言えます。着物を選ぶのにも着るのにも、特別な才能やセンスは必要ではないのです。
着物の選び方にもその人の洋服の好みが多少なりとも反映されるものであるなら、普段気軽に選んでいる洋服と同じように、自分でピンときた着物を選んで着ても大丈夫なはずです。
たいていは、それが一番自分に似合う着物です。