季節の色と柄

洋服でも、春にはやわらかい色を着て、秋には渋めの色を着るように、着物にも季節にふさわしい色選びがあります。
柄は、本来の季節より一歩先を行くのが粋なお洒落とされており、花の柄なども、その花が咲く時期より早めに着て、季節の訪れを待つ心を表します。

草花の色も日差しもやさしい春には、着物も淡いパステルトーンやシャーベットトーンのものを選びます。クリーム色・レモン色・ベビーピンク・すみれ色・うこん(濃い黄色)・ひわ色(黄緑色)など顔映りの良いきれいな色が似合います。
柄は、桜・菜の花・蝶などがマッチします。

夏の着物には、涼しく見える白や藍色などの寒色系の色が最適です。エメラルドグリーン・コバルトブルー・シルバーグレー・瑠璃色などでもOKです。また、透ける素材の特徴を活かし、長襦袢を白にして着物を藍色にするなどの工夫をすると、白が透けて美しく見えます。
柄は、水の流れ・波・なでしこ・朝顔・桔梗など、涼感のあるものを選びます。

木々の葉が黄色や赤に色づく秋には、琥珀色・ワインレッド・栗色・芥子色・金茶などを選びます。
柄は、紅葉・秋の草花・鈴虫などの秋の虫を描いた模様が映えます。

冬は、寒さを忘れさせるようなオレンジや濃茶などの暖色系を持ってくると効果的です。ローズカラー・アイボリー・シルバー・スカーレットも華やかで温かい印象です。
柄は、梅・椿・水仙など、初春の香りを感じさせるものを選びます。

衣更えで季節を楽しむ

花や木々の移ろいによって季節の流れを知り、旬の野菜や果物・魚介類を口にすることによって季節を味わうように、その気候に合った着物に衣更えすることで、寒暖の調節をすると同時に、季節の移り変わりや自然の美しさを楽しめるのです。

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