着物の種類と用途

着物にはたくさんの種類がありますが、今回は、その中でも最低限覚えておきたい9種類の着物と、そのTPOに応じた着分け方をご紹介します。

黒留袖

黒留袖は、既婚女性の第一礼装で、結婚式などの正式な場で着るものです。
裾に模様があり、比翼仕立てで五つ紋が入ります。模様は、全体的に松竹梅や宝尽しなどのおめでたい柄が多く見られます。
長襦袢は白で、帯は金銀等の袋帯や丸帯を合わせます。帯揚げ・帯締めは白金のものを使います。

色留袖

基本的には、五つ紋の色留袖は黒留袖と同格で、最近では結婚式に出席する親族も色留袖が多いようです。紋の数を一つ紋または三つ紋にすることもできます。叙勲や園遊会では五つ紋付比翼仕立てです。
長襦袢は白が一番良いと思いますが、紋の数によってはぼかしのものでも着られます。
帯は黒留袖と同じですが、着物の色に合わせます。

振袖

振袖は、袖丈が長く、華やかで格調高い未婚女性の第一礼装で、結婚式のお呼ばれや成人式に着ます。若い人らしく柄も大きめで色使いも多彩でとても華やかです。
帯は袋帯や丸帯で合わせます。

訪問着・付下げ

最近では、訪問着と付下げの違いはあまりないので、とりあえず一緒と考えて良いと思います。
これらは、お洒落の要素を合わせ持った準礼装の着物で、結婚式のお呼ばれからパーティー、お茶席など幅広く利用できます。着る人の年齢に合わせて色や柄も多彩で、総柄(訪問着)から袖振り違い(付下げ)まで幅広い柄があります。
長襦袢は無地やぼかしのもので、帯は着物の格と合わせた袋帯です。

色無地

色無地は、白生地を一色染した無地の着物で、一つ紋を付けると略礼装として、式典・お茶席・法事など幅広く着られます。江戸小紋も同じように無地の代わりとして着られます。
帯は袋帯や織りの名古屋帯です。

小紋

小紋とは、型染めの総柄の着物の総称で、お洒落を広範囲で楽しめる着物のことです。街着として自分の好みや趣味に合った装いもできます。ちょっとしたパーティーや観劇、ショッピング、お稽古などに着られます。
長襦袢は、無地やぼかしの他、柄物でも良いのですが、薄い色の着物の場合は、着物に長襦袢の柄がうつらないようにしましょう。
帯は織りや染めの名古屋帯です。

紬は、真綿(蚕からとった綿)から手紡ぎした糸で織った絹織物です。とても丈夫で、かつては家庭着でしたが、最近は街着として着られています。着るほどに肌になじみ、独特の味わいが喜ばれている趣味の着物です。
帯は名古屋帯や八寸帯です。

浴衣

浴衣は、湯上がりに着る木綿の着物として江戸時代に流行り、今では一番気楽に楽しめる夏の着物です。

喪服

喪服は、葬儀・告別式・法事に着る喪の正式礼装で、未婚・既婚を問わず、主として近親者が着ます。
帯は、法事のときは色無地に黒のものでも大丈夫です。
ただ、弔事については地方ごとにしきたりが違うので、先方のしきたりを確認しておくほうが無難です。

いろいろな行事で着るときの参考に

以上の着物は、昔から伝えられている年中行事や冠婚葬祭の装いを参考にして、現代の活躍の場に合わせて選ばれています。
日本にはいろいろな行事があり、正月・節分・ひな祭りをはじめ、お宮参りや七五三など、着物を着る機会も決して少なくはないと思いますので、ぜひそんなときの参考にしてみてください。

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