小物はまず基本色を

着物初心者の場合、まず困るのが「小物はどんな色を揃えておいたらいいのか」という点かと思います。そこで今回は、とりあえず持っておきたい帯揚げ・帯締めの基本色とそれぞれのコーディネートのしかたについてご説明します。

トーンを統一する

普段半幅帯でいることが多い人にとってはほとんど必要のないものではあるのですが、帯揚げと帯締めの色のトーンを揃えて持っておくと、コーディネートに統一性が生まれやすくなります。加えて、半衿・帯留め・髪飾り・イヤリング・指輪・マニキュアなどもその色に合わせるとなお統一感が出せます。

着物にはたくさんの色があふれているので、何か一つ、ワントーンのものを揃えてやるほうがまとまりも出るのです。

帯揚げの基本色

着物に合う帯揚げの基本色は、大きく分けて四つあります。

うすい水色

黒地やモノトーンの着物と帯の上にブルーの帯揚げと帯締め、そして髪にブルーのバレッタがくると、かなりおしゃれになります。

やや濃い黄色

こちらの場合は、アクセサリーまで黄色に合わせてしまうとどぎつくなってしまいます。
ただし、一本だけ買うなら山吹色の帯締めがおすすめです。

好みのピンク

赤はさし色にすると強烈なので、帯揚げはピンクで帯締めとイヤリングは赤という程度にしておきましょう。

やや絞りの入った白

フォーマル用です。

あとは好みに応じて増やしていくとして、とりあえずこの四色を基本にすれば困りません。夏には絽の帯揚げをしますが、これも同じです。むしろ、夏は白系の着物が多くなるので、少し濃いめの色でもかまいません。

帯締めの基本色

帯締めも半幅帯の場合は必要ないといえばないのですが、帯締めをするだけで若干フォーマルっぽくなったり、帯の緩みを防ぐことができたりというメリットはあります。

帯締めの場合、おすすめの基本色は「ベージュ・きれいな青・きれいな草色・山吹色・真っ赤」の五つになります。この五色があれば、たいていどんな帯にもどれかが合います。その上でゆとりがあれば、柄もの・ローズピンク・ピンク・クリーム色・モスグリーン・紫などと増やしていきましょう。

自分なりの「困ったら○○色」を持つ

とりあえず、帯揚げと帯締めの基本色が揃っていれば、概ねその組み合わせのバリエーションでどんな帯でもいけます。色を合わせても、反対色を持ってきてもOKです。

ただし、しいて言えば、帯揚げは淡く、帯締めは着物の上から下までの中で一番はっきりと目立つトーンの色合いという組み合わせのほうがよさそうです。ちょっとぎょっとするような、洋服では絶対に使わないような色でも、着物だとしっくりくるということもあります。そのためにも、経験を積んでいく中で、「困ったら○○色」という万能で無難な一色を自分なりに持つといいかと思います。

特に帯締めは、それだけで着物姿を華やかに引き立てたり殺してしまったりするものなので、くれぐれも全身鏡で見ながら決めるようにしたいものです。帯だけを見て合っていると思ってしまうと、あとで遠くから見たとき、そこだけ浮いてしまっていることにもなりかねません。

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