虫喰いの予防
着ようと思ってタンスにしまっておいた着物を出したら虫喰いが…。
そんなことにならないよう、普段から虫喰いに対する予防対策をしておきましょう。
防虫剤の種類と効果
衣類につく害虫が活動するのは3月〜11月ですが、その中でも湿度の高い6月〜10月が最も活発であると言われています。
害虫予防には防虫剤を使用しますが、その種類や効果はさまざまです。十分理解した上で正しく使いましょう。
防虫剤の種類と効果は次の通りです。
エンペントリン(ピレスロイド系)
防虫剤特有のにおいがないのが最大の特徴で、唯一、他の防虫剤との併用が可能です。
ナフタリン
防虫効果が長持ちするので、収納期間の長い雛人形や、普段めったに着ないフォーマルウェアなどに適しています。
パラジクロロベンゼン(パラ系)
揮発性が高く、早く効くのが特徴ですが、その効果は短期間です。
樟脳
穏やかな効き目で絹製品などに適しているので、特に着物によく使われます。
直接衣類に触れてもほとんど傷めませんが、金箔などには直接触れないよう注意が必要です。
防虫剤の使い方とコツ
エンペントリン(ピレスロイド系)以外の防虫剤は、1つの容器に1種類だけを使い、2種類以上の併用は絶対にしないようにしてください。
ちなみに、よく防虫剤を収納容器の下のほうに置く人がいますが、防虫剤のガスは空気より重いので、実は容器の上部に置くほうが全体にガスがよく行き渡ります。
専門店でのパック
もっと安心・簡単に虫喰いから着物を守りたいという場合には、専門店で真空パックにしてもらいましょう。こうすることで、虫喰いだけでなく湿気・カビ・変色なども防ぐことができるので、しばらく着る予定のない着物の保管におすすめです。