伝統木綿の種類と着心地
着物を普段着にしている人に一度は試していただきたいのが、木綿の着物です。今回は、伝統木綿の種類とそれぞれの着心地についてご説明します。
保多織
「ぼたおり」と読み、「多年を保つ」というのが名前の由来です。
とても丈夫で吸水性がよく、軽くて着やすい生地です。
また、生地に凹凸があり肌触りがよいというのも特徴です。
現在、織元は「岩部保多織本舗」のみで、産地は香川県高松市です。
会津木綿
農作業からお出かけまで幅広く使われた、厚手で丈夫な生地です。
洗っても強く、温かみのある着心地が魅力です。
現在、織元は「原山織物工場」と「山田木綿織元」のみで、産地は福島県会津地方です。
片貝木綿
読み方は「かたがいもめん」。
裾さばきがよくて縮みが少なく、しわにもなりにくいのが魅力です。
表面にわずかに凹凸ができるので、サラリとした肌ざわりで、着るごとに肌になじんでいきます。
現在、織元は「紺仁」のみで、産地は新潟県小千谷市片貝町です。
久留米絣
藍染めの綿糸を丹念に織ってできた絣で、素朴で温かな模様です。
肌ざわりがよいのも魅力で、洗えば洗うほど柔らかくなり、また紺と白のコントラストも美しくなります。
国の重要無形文化財で、産地は福岡県久留米地方です。
伊勢木綿
ほっこりと柔らかく、保温性・通気性に優れています。
縒りをかけない糸で織るので、丈夫な上、木綿のわりにしわになりにくく、着れば着るほど布に味わいが出て、体に沿ってきます。
現在、織元は「臼井織布」のみで、産地は三重県津市です。
まずは伝統ものを体感したいという人に
最近では洋服生地の着物もありますが、まずは伝統ものの着心地と肌ざわりを体感してみたいという人におすすめです。