帯はどんな布からでも作れる

帯は特別な布からしか作れないと思ってしまいますが、実は、どんな布地からでも作れます。

ただし柄の位置にもよります

帯は、前帯分とお太鼓分の生地があればできます。その寸法は、前帯が反物幅(37センチ)×90センチ、お太鼓60センチ、手先65センチで220センチほどになり、見えない部分には足し布をします。しかし、訪問着や付け下げなどの着尺から取る場合は、どの柄をお太鼓や前帯に持ってくるかで違ってくるので注意が必要です。

仕立て上がりの着物や羽織から帯を作る場合、着物からは2本、羽織からは1本取ることができます。ただし、帯幅は着物の各パーツより広いので、色焼けがあったり仕立て筋が消えなかったりすると、お太鼓にはできません。

訪問着や付け下げから仕立て筋が出ている場合は、お太鼓は袖からしか取れません。いくら素敵な柄でも、留袖や訪問着、羽織の絵羽柄をそのままお太鼓に持ってくることはできないのです。絵羽柄は真ん中でついであるので、そのままだとお太鼓の真ん中に縫い目が来てしまい、あまり見た目のいいものではありません。

あまり向いていない生地

その他、スカーフ・風呂敷・洋服地・手ぬぐい・のれんなど、なんでも帯になります。
とはいえ、生地によっては仕立てにくいものや締めにくいものがあります。例えば、インテリア用のソファやカーテンに使う生地で仕立てると、あまりに分厚く重くなるので、帯芯や裏地を薄くせざるをえなくなります。逆に、透けるシルクオーガンジーなどは接着芯で補強するのですが、表地に影響が出るので、これもあまり向いていません。

また、アンティークのバティックなどは色落ちが激しく、着物に色移りすることがあります。色止め加工をしても完全には防げないので、色移りを防止するには、一巻き目の部分、または裏全体を別布にするしかありません。

想像もまた楽しい

こんな話を聞くと、呉服屋さんに限らずブティックやインテリアファブリック、はては風呂敷を見ても、帯になったところをつい想像してしまいそうですが、それもまた着物好きにとっては楽しみの一つなのかもしれません。

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