着物の洗濯方法と相場

着物は、素材によってお手入れの方法や頻度が異なります。

今回は、素材別の洗濯方法と、専門店に依頼した場合のおおよその相場をご紹介します。

素材別の洗い方

まずは、一般的な素材別の洗い方についてご説明します。

絹の長襦袢

袖口や裾が汚れてきたら、丸洗いまたは悉皆屋さんに出します。

ポリエステルの長襦袢・着物

日常的に洗濯機のドライモードで洗います。

絹の普段着

八掛や袖口の汚れ具合で、丸洗いまたは悉皆屋さんに出します。

木綿・ウール・麻の着物

洗濯機のドライモード、または手洗いをします。

訪問着・色無地

購入した呉服屋さん、または悉皆屋さんにお願いします。

浴衣

夏の間は洗濯機のドライモードで洗濯し、シーズン終わりにクリーニングに出します。

安く購入した古着

丸洗い。単衣の着物や帯はコインランドリーのドライ用で洗います。

洗いの相場

着物を洗いに出すときは、悉皆屋さんやクリーニング店、リサイクルショップや呉服屋さんなどでお願いするのが一般的です。
その店で購入したものでなくてもたいてい受け付けてくれるので、かねてから気になっている呉服屋さんに、お手入れを機に入ってみるというのも一つの手かもしれません。

最近では、インターネットで洗いを受け付けてくれる専門店もあるので、忙しくてお店に行く時間がないという人でも手軽に利用できます。

洗いの相場はだいたい次の通りです。

丸洗い

着物を解かず、そのまま石油系の溶剤で洗うことです。汗などの水性のシミは取れにくいこともあります。

  • 着物:6,000〜9,000円
  • 長襦袢:5,000〜7,000円
  • 帯:5,000〜6,500円

普段の着物をシーズンオフにまとめて丸洗いに出したい、あるいは夏物をまとめて出したいというときには、1キロ2,000円ほどで出せるお得なサービスもあります。

洗い張り

着物を解いて水洗いし、仕立て直します。洗い張りの目安は、背縫いの縫い目が開いてきたときです。油性のシミは取れないこともあります。

  • 着物:7,000〜12,000円(解き代・仕立て代別)

ガード加工

食べこぼしや泥ハネ、雨などもはじく加工をしておくと安心です。

  • 着物:7,000〜9,000円
  • 帯:6,000円〜7,000円

ただし、熱に弱いので、温度の高いもののシミには効果があまりありません。また、汗ジミなどを防ぐ効果もありません。

悉皆の相場

悉皆屋さんとは、シミ抜きや丸洗いなどの他にも、かけはぎ・染め直し・刺繍直し・リフォームなどをしてくれる、着物の病院のような存在です。
料金は着物の状態にもよりますが、おおよその相場は次の通りです。

  • シミ1個につき 3,000円〜
  • 着物全体にシミ 10,000円〜
  • 染め替え 9,000円〜
  • 刺繍直し 3,000円〜
  • かけつぎ 3,000円〜
  • 柄足し 2,600円〜
  • カビ落とし 1,300円〜
  • 汗抜き(部分) 5,000円〜

シミ抜き教室

また、一般の着物好きな人向けにシミ抜き教室を開いている悉皆屋さんもあります。手入れの基本、シミ抜きの応急処置、シミ抜きの技など、プロが目の前で実践しながら教えてくれます。

無理せず専門店に依頼を

面倒だからといって間違った洗濯をしたり、我流でお手入れをしたりすると、せっかくの着物が台無しになってしまうことにもなりかねません。できないことは無理をせず、専門店に依頼しましょう。

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