着物での立ち居振舞い
どんなに高価な着物でも、動きが不慣れだとぎこちなさが目立って未熟な印象を与え、自信のなさは表情にも表われてしまいます。
そこで、着物での基本的な動作をご紹介します。
立ち方・歩き方
まず、正しい立ち姿のポイントです。
- 頭の先から糸で吊られているように背筋をピンと伸ばす。
- つま先が開かないよう、体の中心に力を入れて内股気味に立つ。
- 両腕は前で自然に重ねる。
- 手を上げるときは、二の腕が見えないように肩より下で袖口を押さえる。
次は、歩き方です。
- 背筋を伸ばしてあごを引く。
- 両腕は自然に下ろし、右手は上前の端を押さえるように置く。
- 手荷物は左手で持ち、正面を見ながらつま先を意識して直線を挟むように歩く。
- 外では足をまっすぐ伸ばして歩く。
- 和室では歩幅を小さめにして畳からあまり足を上げずに歩き、畳のふちは踏まないようにする。
階段の上り下り
階段の上り方・下り方は次の通りです。
- 体は階段に向かって斜めにし、右手で上前を軽く引き上げながら一段ずつ上がる。下りる時も同様にし、裾から足首が見えないようにする。
- いずれも足下を見すぎて背筋が丸くならないように気をつける。
椅子の座り方
椅子の座り方の手順はこのようになります。
- バッグは椅子の背もたれに立てかけるようにして置く。
- 浅めに腰掛け、膝頭を合わせてから背筋を伸ばし、静かに座る。
上前を引き上げて両足をやや斜めに引き、両袖は膝の上で重ねる。
車の乗り降り
ちなみに、車の乗り降りの手順は、
- バッグや手荷物を先に車内に入れ、頭に注意してシートの左端に腰掛ける。
- 上半身を車内に入れたら、腰を軸にして揃えた足を上げながら回転する。
- 帯がつぶれないように浅く腰掛け、取っ手を掴んで体を支える。
となり、降りるときはこの逆の順序になります。
いずれの動作も、実際に着物を着て慣れることが大切です。