季節別・襦袢の選び方

着物は季節によって着るものがだいたい決まっていますが、中に着るものは自分の感覚で調整してもかまいません。

つまり、いかに襦袢で調整できるかが、着物ライフを快適に過ごせるかどうかのポイントになるのです。

季節ごとの襦袢の選び方の目安

季節別の襦袢の選び方は、おおよそこのようになります。

10〜3月
ババシャツ&さらし肌襦袢&袷の長襦袢
4〜5月
さらし肌襦袢&綿レース襦袢
6月・9月
さらし肌襦袢&うそつき襦袢
7〜8月
楊柳肌襦袢&ステテコ&ポリ麻の長襦袢

一番涼しい長襦袢

夏の一番涼しい長襦袢は、やはり麻です。パリッとしていて肌にべたつくこともありません。また、麻は洗えるので、汗をかく夏にはぴったりなのです。

麻の肌襦袢や裾よけもありますが、麻100%のものが肌に直接当たると、肌の弱い人は荒れてしまうこともあります。綿麻・麻ポリだと肌ざわりがよく、しわにもなりにくいので、肌の弱い人にはむしろこちらがおすすめです。

真夏の綿レースは避ける

綿レースの襦袢は、袖口から見えるだけで爽やかで可愛らしく、綿なので自分で洗えるのが魅力です。ただし、着ると暑く感じるので、真夏は避けて、5〜9月あたりの盛夏以外に着るようにしましょう。

洗濯をしたら、パンパンとたたいて伸ばしてから干すのがコツです。

夏にうれしい洗える正絹襦袢

絹は基本的に洗えませんが、洗える正絹の長襦袢もあります。絹の通気性や吸湿性、肌ざわりのよさを守りつつ、黄ばみや縮みなどを大幅に解消した洗える絹なので、絹の長襦袢にこだわりたいという人にはうれしい存在です。

また、絽の洗える正絹もあり、夏の暑い季節にも大活躍間違いなしです。ネットに入れて洗濯機で洗えます。

冬の汗対策にはあしべ織

真夏はもちろん、冬でも暖房のせいで意外に汗をかくものですが、そんなときには、あしべ織汗取襦袢がおすすめです。

あしべ織は、吸水性の強い天然素材でできた灯芯を、脇と胴回りに使用した肌襦袢です。胸から胴まで厚みもあるので、補正にもなります。

お手入れは、手洗いで押し洗いしたあと、たたんで押して脱水します。

メリンス・モスリン襦袢の注意点

メリンス・モスリンは単衣仕立ての普段着用の襦袢です。単衣なので、真夏以外は着ることができると思われがちですが、メリンス・モスリンはウールなので、春から夏にかけて着ると我慢できないほどの暑さを感じることになります。その代わり、冬にはとても温かです。

ただし、肌が敏感な人は、ウールのチクチクが苦手かもしれません。
お手入れは、洗濯機の手洗いモードでOKです。

冷え性にはネルがおすすめ

着物の中は熱が逃げないので、中に温かい素材のものを着ると、冬でも本当に温かく過ごせます。女性が冷やしてはいけないところをちゃんと温めてくれるのが着物なのです。

そういう意味で、冬の肌襦袢や裾よけにおすすめなのがネルです。特にネルの裾よけは保温性が抜群なので、冷え性の人なら、一度身につけたら手放せなくなることでしょう。

襦袢は着つけの最大のポイント

着物姿の良し悪しは襦袢で決まると言われています。ひもを締めるときは、前でギュッと締めるより、後ろで交差したときにしっかり引いて締めましょう。

着終わったときにきっちりシワを伸ばしておくことも大切です。

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